2015年11月28日土曜日

ブロッキング

ブロッキングとは?

さて、ショットを完成させる流れで、プランニングの次に当たるのがブロッキング(Blocking)でしょう。
(ちなみにスタジオによってはレイアウトをアニメーターがやる場合も、レイアウトはレイアウトアーティストがやる場合もあるので、プランニングがレイアウトの前にくるのか後にくるのかというのは、まあ、パイプラインとか、それが学校の課題か、などによるかな。)


ブロッキングという段階は「そのショットで伝えなければいけないアイデアが全て詰まっていて後は詳細を足すだけ状態」です。

アニメーションは完成していないけど、アイデアは完成してる状態といっても良いでしょう。

なのでステップモードでブロッキングをやる人もいればスプラインでやる人もいます。

このブロッキングでアイデアの部分を完成させないで先に進むと大変な事になります。なぜならダメなブロッキングをいくらポリッシュしても良いアニメーションにはならないからです。

しかし、「アイデア」というけどそう言うのはもうプランニングで全て決めておくんじゃないの?と思うかもしれません。そうなんです!
ただ、ブロッキングはプランニングで決めたアイデアを実際に3D空間で作り出し、見ただけで観客に伝わるようにするという次の段階です。プランニングのExecution(実行する)の段階ですね!

それではブロッキングをする際に必要な事を少し見ていきましょう!

ポーズ
ブロッキングの段階でメインのポーズはすべて作っておかないといけません。一つ一つのポーズが、プランニングの段階でしたアイデアを観客に伝えられるものになっていることをしっかり確認します。

タイミング
ブロッキングの状態で最終的なタイミングは決めてしまうほうが吉です。ブロッキング以降はアイデアやタイミングはそのままに。細かな部分をきれいにしていくだけで、タイミングはそこまで変えないほうが良い。

アイデア
ブロッキングしたポーズやタイミングは最初にプランしたアイデアを観客に伝えるものになっているかどうか?


こういったことに注意して実際にショットを作っていきます。どこまで細かくブロッキングをするべきか?というのは人それぞれかもしれないですが、私としては、「それがアイデアであればブロッキングに入っているべき」と考えます。



ちなみにアニメーションには色々なアプローチがありますが、それと似たようにブロッキングをするのにもいろいろなアプローチがあります。

大きく分けて、ステップモードスプラインモードでブロッキングする人が多いと思います。

そうした場合のメリットとデメリットを少し上げてみました。


ステップで(ポーズトゥポーズで)ブロッキングするメリットデメリット
メリット
ーポーズありきのやり方なのでポーズがとても強いものができやすい。
ー2Dアニメーションのようなアプローチでもあるので、カートゥーン系の動きが決まりやすい。
デメリット
ースプラインにした時にタイミングが壊れがち
ースプラインに比べて時間がかかりがち


スプラインとかレイヤードでブロッキングするメリットデメリット
メリット
ーグラフを理解していると早い。
ータイミングを決め込むのが容易

デメリット
ー強いポーズが作れなくなりがち。
ーキーとキーの途中のポーズに気を取られがちになり、この段階でやってもしょうがないことまで気にし始めたりしがち





どちらの方法がよいかは、自分の好み、プロダクションのパイプライン、ショットの種類などなどいろいろな要因がありますので、自分でいろいろ試してみて何が一番しっくりくるかを模索するのがいいかな?と思います。

変更がしやすいように管理する。
どちらのメリットデメリットも上げてみましたが、ブロッキングで大切なことの一つに「変更がしやすい段階」であるということが大事です。以前AnimationCollaborativeでピクサーのアニメーターのMikeさんのクラスを取った時に彼が言っていたことですが。
「ブロッキングの時はできるだけ少ないコントロールを使え。」というものでした。
というのは少ないコントロールで伝えたいことを伝えられるものを作っておけば、変更などが入った時にも変更がしやすいし、直しやすいということでした。

Mikeさんはすべてレイヤードアプローチでやってしまうアニメーターなので、ブロッキングの段階からスプラインです。なので、少ないコントロールでもタイミングなどを伝えやすいのでしょう。
ステップでやるタイプの人だと使うコントロールは多くなりがちかもしれないですが、ブロッキングの段階ではまだまだ変更が入るかもしれないというのを念頭にいつも置いておく、というのがいいと思います。





ちなみに、日本ではよく「ブロッキング=グラフエディターのステップモード」だと思ってる人が多いというのをアニメーターをしているノリさんのブログでチラッとみましたが。英語圏のアニメーターの間ではブロッキングといえばこの記事に書いてあるような意味合いです。



2015年11月21日土曜日

Q&A:監督になるにはどうしたら!

Q&Aというタグを作りました!いい感じの質問があればこういう感じで記事にしようかなと!

時々CGアニメーター目指してる学生の方とかから質問をいただいたりするのですが。今回質問いただいた方の質問が、「あーいい質問だなあ!」と思ったのでそのやり取りをちょっとブログに乗せようかと。


さいきさん(@sai7_pix)という方からいただいた質問で、簡潔に言うと「いつかはアニメーション映画の監督になりたい!」というもので、たぶんこういう風に考えてる人は多いと思います!ていうか私も!

で、こういう質問でした。

Q:お恥ずかしながら、最終的な目標として「アニメーション映画の監督になりたい」と設定しています。しかしゼネラリストにもなりたいとも考えています。つまり、監督になるための勉強をしてから監督になるというよりは、例えばアニメーターになってからアニメーションをやるにつれ勉強もし、いつかは監督になりたいです。    
アニメーション映画監督になるための最適なステップとして考えると、やはりアニメーターでしょうか? といいますのも、当時と環境は変わったとはいえ、ピクサーの歴代監督は全員アニメーター出身です。また、近年のディズニーや他のスタジオの監督もアニメーター出身だったと思います(もちろんカルアーツ出身の方は多いですが、自分はカルアーツにはいけそうもありません、、)
簡潔に答えを言っちゃうと、「答えなんてない、監督になるのにコレ!といった道はない」だと思うんですよ。でも、歴代監督の経歴を見たりしているのがすごい興味深いし、これってすごいいい方法だと思ったんですよ。なので、こういう返事を送りました。


A:まず、アニメーションの監督になりたい。これは全然お恥ずかしい事でもなんでもありません。多分かなりの数の人が思ってます。私も「あわよくばそのうち監督やりてえ」くらいに思ってます。 
 まあ監督でもなんでもない私の言うこと何てさっと聞き流してくれても良いのですが。
でもまず映画にしろアニメーションにしろ監督。ってのは結構幅広く漠然としてる役職なんですよね。だって例えば今から一週間かけて私が30秒の短編アニメ作品を作ってYouTubeにでもあげたとします。その時点で私はその作品の監督です。  
ちゃうねん!そうじゃなくて、ピクサーとかディズニーとかみたいな、ビッグスタジオの長編アニメの監督をやりたいんだ! 
 ていう事なんだろうと思いますが。 でも監督ってそれだけ曖昧な役職で、監督をやっている人のバックグラウンドってそれこそ十人十色。なので一概にどうやったら監督になれるの?何てことは言えません。  
そこで、じゃあ実際に監督をしている人のバックグラウンドを見てみよう。とピクサーやディズニーで監督をやっている人の経歴を調べるっていうのはすごく良いことです!
 その人らと自分が同じ道をたどるとは限らないけれど、できるだけ自分の目標とする道をすでに進んだ人が一体どうやってそこにたどり着いたか、何人も調べて自分の中で「夢の職業に就いた人サンプル」を増やしていくのは夢へのステップを現実的にプランするのに凄い役立ちます。 なのでそういう人のインタビューとかあれば、ガンガン読むなり見るなりするべきです。 
 で、そこまでは良いのですが。さっき言われた「現在監督をしている人たちはほぼアニメーター出身である。」というのは微妙に違います。 
 まずアニメーション業界にいない人から見たら。 アニメーターもストーリーボードアーティストも、ライターもモデラーも。とりあえずピクサーとかディズニーで働いてたら全員「アニメーター」くらいに思ってる一般人は物凄い多いです。 
まあ、あんまり生きていく上でその辺の違いは重要か?っていうとそうでもないので、それでもいいのですが。 自分がアニメーション業界を目指すとなるとそれじゃだめです。だって世間がアニメーターと呼ぶ人達の役職は実は全部すごく違うんだもの。 
 ピクサーディズニーの監督達。確かにアニメーターやった事ある人率は多いです。なのでアニメーター出身、というのは間違っていません。でも、もうちょっと突っ込んでみてみます。  よく経歴をみると、「卒業後アニメーターの仕事をしたりもしてたけど、その後脚本書いたり、ストーリーボードを描いたりして監督をした。」 という人が結構多い事に気がつきます。 ウィキペディアでもIMDBでも良いので、ピクサーディズニーの監督達のfilmographyを見てみましょう、アニメーターといってもinbetweenとかだったりでその後ストーリーだったり脚本に転向してる人が多いです。 
 あとカルアーツ卒業生が多い。これも凄いいいポイントに気がついたと思いますが、カルアーツ行けば「監督になれちゃうぜコース」って言うわけでもありません。
 ただもちろんカルアーツはウォルトディズニーが作った学校なので、ピクサーやディズニーとのコネクションが強いのも真実です。だからコネが大事な社会のアメリカではピクサーやディズニーに行ける確率はかなり上がりますよね。 そしてカルアーツのカリキュラムは在学中毎年一人一本アニメーション短編映画を作らされます(確かそうなはず!)。つまり自分の監督した作品が多くて4つ卒業までにできるわけです。それだけで映画を監督するのに必要な能力を養う機会が4回もあるわけなので、もちろん、監督になるっていう意味ではメリットありまくりです。 
そういう背景が全てあってカルアーツ出身の人には監督が多いのだと私は思います。 (でも考えてもみてください、毎年うん百人カルアーツから卒業してる人がいると思いますが、一体何人監督が居るでしょう、なのでカルアーツ行けば監督になれるという事でもないというのがわかると思います) 
 でこれは個人的な見解ですが、アニメーション関係の職種で一番監督に必要なスキルセットと被ってるスキルセットが多いのがストーリーボードアーティストだと私は思います。 (ストーリーアーティストとも呼びます) 
 日本では絵コンテといいますが、アメリカのストーリーボードアーティストはある意味2Dアニメーターよりも画力が必要で、映画の知識を知っていなければならなくて、ストーリーの組み立て方を知らなければならない役職だと思います。 (日本だと2Dの原画マンがレイアウトを切るらしいですが、アメリカだと構図やカメラアングルはほぼストーリーアーティストの手に委ねられます。)  そういう意味でそこから監督になる人が多いのかな?と私は思います。

 前置きばっかり長くなりましたが、アニメーション映画監督になるための最適なステップ、というのは私はないと思います。 なるための確率を上げる為に選択をしていく、というだけです。 なのでゼネラリストをしていてもアニメーターをしていても。監督にはなれると思います。 
 ただ映画を監督するという行為は ー映画の知識全般(構図、カメラアングルなど) ーストーリーについての知識 が含まれますので、 その辺はアニメーターかゼネラリストか?と言われたらアニメーターの方がゼネラリストよりも学ぶ機会が多いかな?とは多少思います。 
 あとは、監督になりたいというゴールの内容がどういうものかも重要だと思います。
とりあえず監督として名前がクレジットに乗ればいいのか、 それとも、「良い映画」を作りたいのか? どちらでも良いとは思いますが後者の方が圧倒的に良い監督になると思います。

と、私もまたしゃべりだすと話が長いので長ったらしい返信をしてしまったのですが。
私が大学の時に印象に残った課題がありました。それは、あるアニメーター向けデザインの授業の初日に出された課題で。

「自分がゴールとする職を今やっている人の名前を5人書き出して提出。」というものでした。で、5人って結構難しいんですね。

私の場合は
「海外アニメーション業界のアニメーター出身の監督」でしたから、さいきさんの質問とすごい似ているんですね。

で、私は確か5人あげられたかな?とおもいます、でも、結構絞り出しての5人でした。当時はまだあまりアニメーション業界の人を知りませんでした。まあもう7年近く前ですが。

そこで先生が言ったのが、「もし5人上げるのが結構大変な人がいれば、それはもっと実際に業界で働いている人について調べたり、業界自体に詳しくならなければいけないということだ。」

ということでした。

そして、その授業ではそのあと1学期かけて課題の一環として、100人のアーティスト(デザイナー絵本作家、アニメーター、映画監督なんでもよし)の経歴、代表作品などを学期末までに調べ製本して提出というものがありました。

そういった、先人の経歴を学ぶということは実はすごく大切で、彼らのたどった道を何通りも見ることで、自分が行くべき道への柔軟さや、オプションについての考えが広がるんですね。

なので、もし、名前を5人上げられない人がいれば、自分が目指す業界で働いている人、そしてその経歴について調べてみるという習慣をつけるのは良いことかもしれません。そしてそこから学べることはたくさんあると思います。

監督だけに限りません、結構どんな職種も、何歳でこれをして、何歳でこれをすればこれになれる、っていう確実な道なんてのは実際ないに等しいと思います。なので、なるべくその職種の人からたくさん話を聞いたりインタビューを見たり。そうやって、こうすれば「なれそう」な情報を自分でためていくしかありません。


あとやり取りはツイッターでだったんですが。私も結構アニメーターの知り合いは出会いがTwitterというのが多いので、質問なりなんなりたくさんするとよいと思います。もちろんプロの方たちは忙しかったり返信がなかったりということもあるかもしれませんが、3Dアニメーターは結構優しくそして、熱い人が多いので、すごい丁寧に答えてくれたりします。もちろん、それだけ時間を割いてくれるプロの方には失礼のないように!

あとは、学生なりなんなり、3Dアニメーター目指してます!とかプロフィールに書いてあるとアニメーター達は高い確率で反応すると思います笑。

インターネット時代を活用したいですね!

2015年11月20日金曜日

Kayla Rig

新しいリグを手に入れたのでちょっとテストしてみました!

Josh Sobel さんの作ったリグで12ドルで購入することができるリグです。
フリーのリグでBonnieというのがありますが、それと同じ作者です。ボニーは無料ですが、カイラは有料です。

彼は経歴を見たところ、ディズニーだのブルースカイとかでリグを組むのをやってたみたいなので、優れたリグなのも頷けます。

サイトはこちら↓
http://www.joshsobelrigs.com/

はっきり言って12ドルで手に入るなら買って損はまったくないです!フェイシャルのコントロールがとても優れているので、アクティングショットをやりたい場合にすごい重宝すると思います。

特に今までは子供の体形をしたリグでここまで優れててアピールがあってお手頃価格のリグはなかったんじゃないでしょうか?

本当に子供をアニメートしたいときって結構リグをどうするかが大変で、Kaylaのおかげで子供のリグ探しで悩まずに済みます!

試しにTakeを作ってみたのですが、なかなか触り心地がよかったです。

(テイクとはリアクションのようなもので、アニメーションのエクササイズでよくやります。)

Kayla Test Take from Miyuki Maruyama on Vimeo.


こういう人・ショット向け
ー上級者向け
ーアクティングショットに最適
ーフェイシャル系に最適
ー子供をアニメートしようとしてるときに最適(6-12歳くらいで変形できる)


良いところ

ーAge Controlという年齢にあった頭のサイズと体系にしてくれる機能がついていて大体6-12歳くらいの女の子の容姿にすることができます。

ー女の子といいましたが、男の子版も12ドルの中に含まれているので本当お得です。

ー髪型もポニーテールとデフォルトと選べます。

ー手とか指周りのコントロールがとても使いやすいのも良いです!

ーフェイシャル周りは文句なかったです、眉毛とか目の周りもすごく使いやすかったです。

ーIKスパイン付き!

気になる点

Thinking Animationのブログのリグレビューでは、体のコントロールにちょっと変なところがあるらしく、あまり激しくたくさんの距離を動くフィジックスショットには向かないのでは、と書いてありました。

ー同上のブログでオフモデルになりやすい、と書いてありましたが、確かに気を付けないとすぐにオフモデルになってしまうので上級者向けです。





もっと詳しくはThinking Animationにも書いてありますので英語が読める方はそちらを参考にしてもよいでしょう。

しかし、リグを作ったJoshさんのサイトにも無料リグのボニーに関しては、「昔の技術で作った、Outdated(古い)なりぐだから今の私のほかのリグのと一緒のレベルのリグだとは思わないでください。」というような注意書きがありますけど、格段にBonnieよりも使いやすいです。


とてもおすすめです、何度も言いますがこれで12ドルなら安い!!!

試しにつけてみたのはフェイシャル中心なのでフィジックスももし試してみたらアップデートします。(しないかも笑)


買い方
(英語のサイトなのでどうやって買ったら!!と思う人もいるかもしれないので回し者ではないですけど、買い方。)


1.リグのサイトに行きます
http://www.joshsobelrigs.com/#!kayla/c1eof

2.Buy Now をクリック


3.このページに飛ぶので(https://gumroad.com/l/kaylarig)そうしたらLicense Typeを選びます。

2種類のライセンスがあるのでドロップダウンメニューから自分に合ったほうを選びます。

-Single Seat License $12
個人で使うならこちらです。自分のみ使用可能。

-Team Project or Class License $188
50人までのクラスや、プロジェクトならこちら、50人までつかってOKです。$188ドルです。

選んだら。

I Want This! をクリックします。



4、支払いページに飛びますので、ダウンロードリンクを送ってほしいメールアドレスを上の欄に入力。
支払いはクレジットカード又はPayPalをつかっての支払いが可能です。



5.Payをクリックすると。リグファイルのダウンロードができるリンク付きのメールが送られてきます。




ライセンスに関しては、リグをPG-13以上のことに利用しない限りは、商用、非商用どちらにも利用可能と書いてあります。
そして、Kayla Rigを使った作品をインターネットにアップロードした場合などは、Joshさんがプロモーション目的でクリップを使用することができるということに、購入の時点で同意したことになると書かれています。。


また、リグがアップデートされたりした場合は一度購入すれば最新のものをダウンロード可能です。その際にはJoshさんからアップデートの胸を伝えたメールが送られるようです。

リグをダウンロードしてもソフトウェアやハードウェア環境でリグが使用不可能の場合はJoshさんの判断で返金も可能のようですが、その場合販売をしているサイトに返金機能がないため、Joshさん自身からPayPalを通しての返金になるようです。




2015年11月12日木曜日

Illusion Of Lifeは本当にバイブルである

このブログで何度も出てくる

ディズニーの
Illusion Of Lifeという本。

一般的にアニメーションのバイブル。と言われているのですが。ここ数年で、なぜこれがアニメーションのバイブルと言われているか、私の中での認識が改まってきています。

まあ、そんなん知ってたよ当たり前だよと思う人もいるかもしれないですが最近。

あーこりゃほんとにバイブルだわ。と思った事

というのも、よく「○○のバイブル!」といえば、もう基本中の基本!必須のアイテム!

みたいに言われますが。

ただ単に基本中の基本というわけでも、持ってればいいというわけでも。ないんですね。Illusion of Lifeは

まずバイブルって聖書の事なんですけど。キリスト教で聖書って言ったら、人生に必要なモラルとか、教訓とかそういうのであふれているわけですよ。

で、何か困難とかにぶち当たったら、聖書の一節でこうあります。みたいなのを引用して、そこのストーリーや書いてあることをベースにモラルだの、何かだのを学んだりするんですね。

(もちろん私はキリスト教じゃないので、細かくはわかりませんが。)


で、何かあるたびに聖書を開いて読んで、悟りがあったり、人生について学んだりと。

聖書ってそういうものじゃないですか。(一応ゴスペルクワイアに大学の時入ってたので、キリスト教でもないのに協会にお邪魔して歌ったりしてたので、周りから聞いた感じ。)

で、

Illusion of Lifeはまさにアニメーションにおけるその役割を担っててマジで聖書なんですよ。アニメーションをやる人にとっての。

内容がとても、哲学的というか、アニメーションにおける単なる技術だけを書いてあるだけではなく。アニメーションをやるうえでの、心構えだとか、考え方だとかそういうことがたくさん書いてあるんです。

しかも、また、ディズニースタジオ内で実際にあった例なんかも交えて語られるものだから、それこそほんと聖書のストーリーのアニメーションバージョンみたいな感じなんですよね。

で、アニメーターとして成長すればするほどどんどん、Illusion of Lifeに書かれている言葉が、しっくりきたり、新たな発見があったり。

真面目にバイブルなんですよ。

そういう意味で

アニメーターズサバイバルキットの方は本当にサバイバルキットなんですね。

「キャラクターを動かすうえでとりあえずこれだけは知っておけ!」という技術中心の本。

ただ、アニメーターとして、演技だったり、命をキャラクターに与える。良いストーリーとは、アピールのあるキャラクターとは、といったことを考えた場合、Illusion of Lifeを開くんですね。

まあそういう意味でも本当、

アニメーションのバイブル。

という言葉もただのうたい文句ではないということです。


というちょっとした雑記でした。