Week 1 クラス一週目
前回の事前ミーティングの記事に続き、今回は実際のクラスの第一週目についてのレポートです。
この週では主にプランニングを提出しました。
AnimSquadの授業でしたようなプランニングを、もう少し詰めてやってみました。
AnimSquadの授業でしたようなプランニングを、もう少し詰めてやってみました。
まず今回選んだサウンドクリップはこちら
提出したもの
AnimSquadを受講した時は出すアニメーションがすべてという感じだったので、提出するものは基本アニメーションのプレイブラストのみで、一週目はブロッキングを提出という感じでした。AnimFocusは自分のフォーカスしたいことに合わせてオーダーメイドのクラスを作るよ!っというのも売りにしてるっぽいので。プランニングのプロセスやダイアログとやりたいショットの方向性があってるかどうかも気になったので、プランニング用のチャートとかも全部提出して見てもらいました。
キャラクター分析
とりあえずキャラクター分析から始めました。プランニングの記事で紹介した方法にのっとって分析をしていきました。
仕事でやるものと違って、ストーリーやキャラクターの心情などを自分で作り上げなければいけないという点も、課題でやるショットの難しいところですが。音声を繰り返し聞いて構想を練ります。
セリフ:But see, I don't believe it was an accident, and if I could just find out who broke in, maybe I could get some answers, maybe I could stop looking.
(訳:でも聞いて、あれが事故だったとは思わない、もし誰が侵入したのかわかれば、もしかしたら答えが見つかるかも、もしかしたら探すのをやめられるかも)
ここから「友達といざこざがあり、自分に非があるのに、ほかに何か理由があると思い、その’答え’を探し続けている人。電話相手は別の友達。主人公は本当は他に理由などない事を心の奥では知っていて、どうにかしてその真実を受け止めたいけど受け止められずにほかの理由を探し続けている。(けどもうそろそろそれもやめたい!)」
というシチュエーションを思いかびました。
目的と障害
シーン内のObjective(目的)は何なのか?そして目的を妨げるObstacle(障害)は何なのか?そしてそのObjectiveは達成されるのか?されないのか?を明確にするとアクティングのショットはぐっとやりやすくなります。
このショットの場合
目的:本当は何があったのか?真実を、答えを知ること。
障害:本当もなにも、今知っていることが真実であり、探しているものが存在しない。
目的は達成されるか?:されない、そして、達成されることがないということを受け入れ始める。
これは「どんなシーンにもそのシーン内の目的と障害があるからしっかりと分析すると良い!」というのを演劇の授業で学んだことが大変役に立っています。そして、キャラクターが数人いる場合はすべてのキャラクターにそれぞれ「目的」「障害」「それが達成されるかされないのか?」があります
例えば、映画なんかで言うと、映画を通した大きな目的と障害があり。また、映画を小分けにしたシーンごとにそのシーン内での目的と障害があります。そういうのをしっかり分析することで実際の俳優はどういう演技がそこに合うか?というのをかみ砕いていきますが、アニメーターも同じようなアプローチをアニメーションをするときに使うことができます!こういった背景を突き詰めることで「生きた」演技を生み出す手助けになります。
Subtext(サブテキスト)
黒文字がセリフ、赤文字がSubtext
サブテキストとは!は度々紹介しているノリさんのブログが分かりやすいですね。
簡単に訳すと「事故だったなんて信じたくない、何かほかの理由をさがさなくちゃ。誰かが侵入した?本当は多分自分も知ってるのに、探さなきゃいけない「答え」なんてないことを。助けて!もう探し続けるのはやめなきゃ!」
という感じです。セリフとして言ってることとは反対に自分の中ではもうどうにかこうにか折り合いをつけてこんなこと辞めたいけど辞められない。という、難しいですね!こういう複雑なダイアログは!ちゃんとアニメートできるのだろうか!!?
InOutチャート
また、InOutチャートというものも作ってみました。
これは、前にAnimationCollaborativeで授業を取った時に「人間はしゃべったりするときに意識が内側に向いてる時と、外側に向いてる時がある。それをアニメーとする前に明確にしておくとアクティングチョイスがしやすくなる」ということを言っていたのを学び、演技のアニメーションをやる時には気を付けている事柄です。
なのでとりあえずアニメーションに移る前にどこで意識がどこに行ってるのか?というのをチャートにしておきました。アニメーションを実際につけだすときになかなか役立ちます。
今回のショットは女性が携帯電話で友人の家の前で他の友人と電話で話しているというシチュエーションです。
「意識」が持っている携帯電話の方に向かっていたり、家の窓に行ったり、自分自身に行ったり、どこでそれが切り替わるのか?を考えてみました。
アクセントチャート
これは音量だとか声の大きさ、アクセントの位置などをよく聞いて視覚化したチャートです。あとは、吐息とかブレスの位置も書いておきます。これを書いておくと実際のアニメーションが声の勢いにあってるか?などをさっと確認するのに役立ちます。
ビート・フレーズチャート
そして、もう一つ「ビート(Beat)」や「フレーズ(Phrase)」を明確にするチャートを作ってみました。前にAnimSquadを取った時はビートを明確にするのが下手だったので、今回はそこもしっかり練ってみました。
今回は大きく3つのビートに分かれているかな?と私は考えました。
- Denial (否定)
- Realization (気づき)
- Seeking Help (助けを求める)
この三つのビートがどこで移り変わるのだろう?というのを可視化したのがこのチャートという感じです。
という感じに、いくつかチャートを作っておくとリファレンスを取った時に自分的が欲しいリファレンスを選ぶのが楽になる為、個人的には活用しています。
今回はクラスなので、人に見せることを前提に少し綺麗に仕上げていますが(これでもきれいなつもり笑)仕事の時などはメモ帳に自分にしか分からない程の汚い字で書きなぐる感じなので、いつもこんなに綺麗にやってる訳ではありません。
リファレンス
そしてそれを踏まえてリファレンスを結構たくさん撮り、音声に合わせてカットしたものと、なかなかよさげなリファレンスも一緒に提出しました。恥ずかしいことこの上ないリファレンスですが!アニメーションコミュニティのために恥をさらします!(今までさんざん恥さらしてるのに何をいまさら。笑)(脱ぎ散らかした服などが散らばっていたりで申し訳ありませんが)
↑自分的に良いかもとおもったリファレンスをつなぎ合わせ、セリフに合わせたたもの。メインで先生に提案したもの
↑その他、まあまあ面白いと思った物理的な動きやタイミングのあったものも一応まとめてメインの物以外で何かアイデアを探す時用
↑もんのすごい顔のドアップで申し訳ないですがwこれは提出しませんでしたが、細かい顔の動きの参考になるかな?と思って撮ったやつです。
さて、これらを提出したうえで、どんなフィードバック・講評をもらったのかを見ていきましょう!
フィードバック・講評
主にプランニング自体はすごい気に入ってもらえました。しっかりとキャラクターの分析をしてきてくれたのはとても良いという感じでした。
ビートもしっかり練られているから、問題はそのビートを強調するポーズをどう作っていくか。今あるポーズはどれもちょっとビートと合わなかったり弱かったりするので、その辺をもう少し強くするといいといわれました。
まず三つのビートですが
Denial(否定)
- 電話している相手の言ってることを否定しているという態度がそこまで出ていない
- 相手を否定していても、最終的にRealization(気づき)に至るということは少し自信のなさも見えた方がいいのに、自身がちょっとありすぎ
- ちょっとLine Of Actionも直線的すぎかも?
- 目線が「何かを見ている感じ」に見える、ここは単に電話に話かけているのならもう少し目線はまんなからへんになるのでは?
というようなことを言われました。
Realization(気づき)
- 「気づき」感がない。
- 自分で自分の過ちに気づいたとき、「ハッ」となって顔が上がるのよくあるけどああいう感じの方がRealization(気づき)に近いポーズではないか?もっと上を見る感じで
- そして、家の窓を指さすポーズが「ありきたり」すぎ、「今私家のことが気になってるからそこを指さします!」って単純すぎるのでもっとSubtleな抑えた表現にするといい。(それこそ、チラ見するだけとか、)
指さすポーズは結構時間なく最後の方に作ったので自分でも「これはちょっと、まんま過ぎるポーズやろ、、」と思ってたのですが、ハイ、見事に指摘されました。直します笑。
SeekingHelp(助けを求める)
- この一個目のポーズはもしかしたらRealization(気づき)あたりに持ってきても良いかも。
- 最後のポーズの形はとても、Insecure(不安)な感じで良い、表情をもっと助けを求めている感じにプッシュしていけるといいと思う
というようなことを言われました。
そして全体的に
- 自分で打ち出した3つのビートをしっかりサポートするポーズを
- 作ったポーズの中には良いものも多いからそれをシャッフルするなりしてビートを最大限サポートできるポーズを見つけ出しなさい。
- 来週までにはもっと目線や、いつ携帯電話を持ち帰るみたいな細かいところまでのブロッキングをしてきましょう
- 3つのビートを大切に!明確に!一つのビートに1ポーズくらいにシンプルで良い、ポーズの中でアニメーションすることを気を付けましょう。Animate within a pose. (これはよく言われるやつです。動きすぎるとうるさくなりがちなので。アクティング系ショットではシンプルに一つのポーズの中で細かく演技していくという方が効果的という場面が多いです。)
あとは最初にいきなりセリフが始まるのでそこにちょっと一息つくような、間のようなものを入れることが出来たらいいかも?というようなことも言われました。これ以外にも色々言われましたが、メインはこんな感じでした。
それらを踏まえて来週のブロッキング楽しみにしてます!という事でした!
まとめ
一週目のクラスを終えた後、1対1のクラスの良さを感じました。しっかり1時間、ショットについてディテールを話し合って相談して、フィードバックをもらえる時間があるんですよね!その農密度はすごい良かったです。
Week1の記事を書くのにもう7月になってしまいました。しかし、一か月くらい自分のやったショットを見ないで4週目に出したやつを最近みたらボロが山のように見えて、寝かせておいて見るというのは大切かも笑と思いました。ブログ記事を書き終えたら、ちまちまとポリッシュをしましょうか。笑。
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