2015年1月28日水曜日

プランニング

今日はプランニングのお話、というのも、この後、私のAnimSquadの課題のプランニングのレポートを書こうと思ってたのでその前にまず、プランニングとは!ということを少し。

さて、自分のやるショットが決まったら。まず何をするのでしょうか?ブロッキング?いいえ違います。先ずは、プランニングです。まあ英語でプランニングプランニング、言ってますが。プランを立てるということですね!

実際にコンピューターでアニメーションを始める前に今からやるショットの方向性を決める。いわば図面みたいなものでしょうか?

どのようなActing Choice(演技のチョイス)をするかというのも、この時点ではっきり決めておきます。

さて、それでは。プランニングに必要な事をいくつかあげていきましょう。
因みに、何をこんな経験も浅い私が偉そうに、と思うかもしれませんが!心配後無用!全部ガチで偉くて凄い人たちの講義や、その辺の本を読んでまとめたメモですので、これは鉄板!のはず!!

では行きます!

1.ショットを理解する。

ーそのショットで一番大切なことは何かを理解する。(仕事や映画の場合は映画の中でどのシーンなのか。また、そのシーンで観客に伝えなければいけないことは何か。)

ーキャラクターを把握する(自分がアニメートしているキャラクターの性格、バックグラウンドなどなどを理解する必要があります、これが、課題などの場合、自分でキャラクターの歴史や環境性格などを作り上げなければいけないので少し大変ですが、仕事などの場合はもうすでにキャラクターの設定などあるでしょうから、いったいどんなキャラクターであるかというのを十分に理解する必要があります。


ーそのショットがストーリーの中で、またはシークエンスの中でどのような位置にあるのか理解する。(他のショットとの兼ね合い、または映画の中でどういう位置にあるかというのを理解することは、どのようなアニメーションがそのショットに求められているかという事を理解するのに役立ちます。)


ーそのショットで観客に見せなければいけないものは何かを理解する。(たとえば母親が怒って部屋を出て行ってしまうというシーンだった場合。母親が怒る、という様。そして、部屋を出て行ってしまうというのは必ず必要というのはわかる。)

ーショット内で何かと接触する等あるのか(3Dの場合、何かをもったり、接触したりはコンストレインなどの関係で上手く最初にプランしておいた方がやりやすい。)

ーどれくらいの時間があるのか(自分のやるショットに与えられた時間がどれくらいかというのと、自分のできることを考え、それで最高の状態を締め切りまでに出せるようにしよう。)

ーストーリーボード(日本で言う絵コンテ。ここにも、そのショットに重要な情報があるので。そこから、一連の流れを把握)

ーダイアログ(台詞の音源。アメリカの場合はプレスコ方式が多いので、台詞のあるアニメーションをやるときはもう俳優の台詞が録音されていることが多い。なので、それを良く聞く。そして、研究し、声の抑揚などをチェックしてどのようなアニメーションが適切かをプランしていく。)


2.実際にショットの詳細を組み立てる(サムネイル、リファレンスなど)

ーサムネイル(絵の描ける人は、サムネイルがお勧め、小さく書いたキャラクターの動きや、一連の流れを書き出しておくことでアニメーションをする際の指標にする。)

ーリファレンス(実際に自分を撮影、またはオンラインなどで拾った実写の動画を参考に、動きや、ウェイト、または演技の参考にする。取ったリファレンス一つでいい場合も、色々参考にする場合も場合によりけり。)

ー実際にうごいてみる(とりあえず体を動かしてやろうとしてる動きをしてみましょう、できる範囲で)


と、こんな感じですかね!まあ、なんとなくアニメーションつけるんじゃなくてちゃんと理解してからつけろよ!ってことです!この、プランニングをしっかりしないと、ブロッキングがだめになります。ブロッキングがダメだと、いくらポリッシュしても良いアニメーションにはなりません。

ということで、コンピューターでアニメーションをつけ始める前のこの段階はとても大事ということですね。


ちなみに、私は大学時代ミュージカルが副専攻だったのですが。その当時沢山演劇関係の授業を取っていたのですが。その時に先生がシーンを演じる前にやることとして、生徒に与えたCharacter Analysis(キャラクター分析)の質問が、アニメーションのショットをやる上でも大変役に立つのでシェアしたいと思います。

調べてみたところによると、 Uta Hagenさんという演劇の教師でもあった女優さんの定説した、キャラクター分析のやり方だそうですが。これをアニメーションのショットをやる前にやるとかなりキャラクターの像が見えてきます。(特に学生の場合、課題でアニメーションをやるときなどは、もともとキャラクターが居るわけではないので、こういう分析をすることでより、リアルなキャラクターを作ることができます。)

この6つの質問に答えるだけでだいぶキャラクターに現実味が出てきます。


Uta Hagen’s Six Step Analysis
Uta Hagenの6ステップ分析

1. Who am I?(私は誰か?)

  •  What is my state of being?(私の今の状態は?) 
  •  How do I perceive myself?(私は自分自身をどう思っているか?)
  •  What am I wearing?(私は何を着ているか) 


2. What are the Circumstances?(どんな状況(環境)か?)

  •  What time is it (the year, the season, and the day?) What time does the scene begin?(今何時だろうか?(何年?季節は?どんな日?)どんな時間にこのシーンは始まるのか?) 
  •  Where am I? In what country, city, neighborhood, building, and room do I find myself? Or in what landscape?(私はどこにいる?どの国?町?地域?建物は?どの部屋に居るの?または、どんな地に?) 


 3. What are my relationships?(私(と)の関係は?)

  •  How do I stand in relationship to the other characters in the scene?(私はいったいこのシーンにいるほかのキャラクターとどのような関係なの?) 


 4. What do I want?(私は何が欲しいのか)

  •  What is my Objective?(何が私の目的なの?) 


5. What is my obstacle?(私の障害は?)

  •  What is in the way of what I want? How do I overcome it?(どのようなものが私の欲しいものの邪魔になっている?どうやってそれを乗り越えるの?) 


6. What do I do to get what I want?(私が欲しいものを手に入れるために何をするのか?)

  •  What actions do I employ to achieve my objective? Do I get what I want? What do I do when I get or don’t get what I want?(どのような手段を使って私の目的を達成するのか?欲しいものは手に入れられるのか?欲しいものが手に入った時、または手に入らなかったとき私はどうするのか?)




と、こういう感じです。これをすらすらーと答えられると、自分の中でそのキャラクターを少なくとも理解ができていると思います。また、このObjective(目的)とObstacle(障害)は映画の単位で、シークエンスの単位で、ショットの単位でも存在するものなので、そのショットごとのキャラクターの目的はなにか?という事を明確にすると、いったいどういう感情なのか?なども理解しやすいです。



因みに絶対にサムネイルを書け、とか、リファレンスをとれ、とか色々とありますが。人によってはリファレンスの使い方もさまざまだし、コンピューターをつかう3Dアニメーターには2D時代と違い絵がかけない人も沢山居ますので、どういう仕方でプランニングをしていくかは人それぞれです。ディズニーでジーニーをアニメートしたりで有名なエリックゴールドバーグなんかは、「俺サムネイル嫌いだから、プランはでっかい紙にでっかく書いて決めるんだ!」と言ってましたし。プランニングの仕方は十人十色!でも、共通しているのは、しっかりとショットの内容を把握し。何故どこでいったい何が起こるのか、何がこのショットで重要なのか、等をはっきりアニメーションしだす前に計画しておくということです。

ただ、学生のうちはやれと言われたことすべてやってみるといいです。なぜならやってみない事にはそれが自分にあったやり方かどうかわからないからです。



というわけで、プランニングのお話でしたー。


ショットを完成させるまでの流れに戻る




ショットを完成させるまでの流れ

いくつかショットを完成させるまでの流れに関する記事を書こうと思いますのでここにまとめておきます。更新したらリンク先に飛べるようにしておきます。


アニメーションをやる上でショットを始まりから完成までに持っていく上での大体の段階とその流れです。人やスタジオによって呼び方や分け方はさまざまだし境界線も危うくなるところもありますが。大体のながれを、私のわかっている範囲内で!

その他、うちではこうだよー!僕は、私はこうやってるよー!というのありましたら、コメント、メールでいろいろ教えてくださいませ! 



プランニング
ーアニメーションをやる上での設計図のようなもの、指標をしっかりさせる、コンピューターに入る前の段階。下準備。

レイアウト
ー動きはほとんどつけない、ショットの構図、カメラワークなどを決めるもの。

ブロッキング(1stパス)
ーそのショットのアイデアをしっかりと、直しやすい範囲で表す段階。ブロッキングとレイアウトをまとめてしまう所もあるし。きっちり分けるとこもある。

スプラインパス(2ndパス)
ー全体的にキーをオフセットしていったり、ディテールを足したり完成に近い形にしていく段階。(ブロッキングからスプラインでやる人もいるのでこう呼ぶのは変かもしれませんね。他に良い呼び方があれば教えてください!)

ポリッシュ
ー最後の10パーセントとも言われる、本当に細かなディテールや、変なところがないかを細かにしっかりチェックして完成に持っていく段階。




と、こんなところだと思うのですが。
何かあればご意見色々ください!興味あります!

2015年1月25日日曜日

大塚康生さんと日本のアニメ史とディズニーと

先日日本の2Dアニメーターの友人とスカイプを通してアニメーション談義を繰り広げていたところ。

大塚康生さんって知ってる?といわれ、聞いたことある!となり。
顔を見たら!ああー知ってる知ってる!となりましたが、そこまで調べまくったことはなかったので、色々と調べていました。教える内容が動きを重視したもので、なんだか私がアメリカで学んだ事とも似てるなあー。何て思っていたところ、

他の3Dアニメーターが

こんな教材がありますよ!


と教えてくれました。上記のリンク先に「アニメーター教育用 公開教材」
というセクションに大塚さんの教育用のPDFが沢山あるのですが。

おお、フムフム、納得納得、という内容何だけど、どうも、デジャブ感が強すぎる。

12の原則ではなく、28だし。その他もなんか覚えが。

と読み進めていくと。

フランク、オーリーの講義より。。。

フランクトーマスとオーリージョンストンのことです!ディズニーのナインオールドメンの二人ですね!

つまりフランクやオーリーの講義を聞きそれのメモをとり、記録として残し、他のアニメーターと共有していたということ!

ほうほう!とさらに読み進めていくと。


「ウォルトスタンチフィールド」の名前が!

そこまで見て思い出しました。
ウォルトスタンチフィールドはアニメーターでありましたが、教育熱心な方で。とても学びやすい教材を多く作り、ディズニーの中での社内教育に使いました。

特にアニメーション28の原則なんかはウォルトスタンチフィールドがディズニーで教鞭をとっていたときに社内教育用に使っていた教材なのです。

そして、ウォルトスタンチフィールドの死後、この教材はDrawn To Life (リンク先は1巻(緑色)2巻は青いです。)という二冊に分かれた分厚い本となり出版され多くのアニメーターに読まれるようになるのですが。


私はこれが出版されたときを覚えていますが2009年なのです。

で、大塚康生さんのPDF、これ2006年って書いてありました!

ディズニー社内で使われてた教材がアメリカで一般に向け出版される3年も前に日本のアニメーターはこの情報にアクセスできていたんですね!凄いなあ。


ちなみに上記の28原則のPDFでは、図解等は省いてあるといっていますが、つまりDrawn to lifeを買えば図解が見れるということです。

ということでちょっとびっくりしたーということでした!


因みに、このウォルトスタンチフィールドのDrawn to lifeはアニメーションをやるならお勧め本です。現在英語のみだと思いますが。絵もたっぷりなので、良い本です。


大塚さんのドキュメンタリーも見て思いましたが。大塚さんは教育者としてもものすごく優れているんですね!むしろ今までしっかりと知らなかったのが恥ずかしい。。。


ウィキペディアなんかも見ていると、1980年代にはアメリカのテレビ作品の製作をてつだったり、リトルニモなんかはアメリカでアニメ史をやると必ずみるし。

なんというか面白いですね。日本のアニメの歴史というのをもうちょっと調べてみたいなーと思った日でした。

私は短大時代にHistory of Animationというアニメーションの歴史。というのを取りました。たぶんアメリカでアニメーションやると高い確率でそういうアニメーションの歴史のようなものも学ぶのではないか、と個人的には思っているのですが。

日本ではどうなのでしょう?

当時私がアメリカに行こうと思った理由も、4年制大学でアニメーションを専攻しようとした場合、いける選択肢が狭すぎる。もっとどこでも、映画やアニメーションを大学の授業で(それこそ、法学部、経済学部、と同じノリで)学んでいるところで学びたい。と思ったのがアメリカ留学のきっかけの一つでもありました。

それから、数年後には、日本でもアニメーション学部がどこどこの大学にできた等という話をポツリポツリと聞きだしたりもしました。

なので、今はもっと変わっているのでしょうか?大学でアニメ専攻するなら、日本アニメ史、必修。海外アニメ史、フランスアニメ史、ストップモーション史とか色々わけて、選択にしたっていいくらい面白いものだと思います。確かにこういうものは、即戦力を養うにはいらないのかもしれませんが、その学生ががやがてプロになり、アニメーションの将来というものを考えたときこういう知識があるのとないのとではその文化に対する、経緯や、思いいれ、守ろうとする心、後の世代の教育に対する意識、なんかが違ってくるのではないかなあ?と少し思いました。


ともあれ、アニメーションの歴史を良く学び今につなげるっていうのは大事ではないかなあ。とちょっと思った昨夜でした。



2015年1月17日土曜日

11 second clubの紹介

11 second clubについての紹介です!ミニ記事!

毎月開催されている、アニメーションのコンテストです。

11セコンドクラブ


毎月1日にその月のお題のサウンドクリップが発表され。月末締め切りで自分のつけたアニメーションを投稿します。

そして、最初の週で皆で投票して1位から最下位まで発表されるという趣向のもの。


私も遠い昔にちょっとやりました。
今では目も当てられないアニメーションです。笑。

ただ、ガンガンやって練習することもできますし。なにより、ランク付けされるので、自分のアニメーションがいったいどのくらいのレベルなのかー。というのを見るのにはなかなかいいですね。

そして、単純に楽しいですよね!こういうコンテストは!

ただ、デモリールに乗せるという点ではけっこう皆やるし、アニメーターはチョコチョコこのサイトチェックしている人も多いので。

聞いたことある台詞だなあ。てなる人もおおいので気をつけましょう。(サウンドクリップの記事でも書きましたがみんなが聞いたことある、すでにアニメートされた映像が頭に浮かびやすいものをリール用に使うのは危険だからです。)


上のメニューの”Current Competition” から今月のお題のクリップがダウンロードできます。
アカウントを作れば無料で誰でも参加可能ですので、お勧めです!

ちなみにArchivesに行けば過去の作品を見ることができます!



元々は10セコンドクラブという10秒のクリップをアニメートするというものだったのですが。
そのサイトは閉まってしまい、それをAnimation Mentorの人たちが受け継いで始めたのがこの11セコンドクラブです。

優勝者はエントリーした作品をAnimation Mentorの講師がクリティーク(講評)してくれるという特典つきです!

もしエントリーするなら右上のJoin Upから簡単にアカウントを作れますし。そこから簡単にエントリーすることができますので。挑戦するのも楽しいですね!

ーお題のサウンドはそのまま使わなければいけない。
ー暴力的なものや、全裸とかはだめ

などいくつかルールはありますが。2D、3D、クレイアニメとにかくアニメーションなら何でもOKです!

とか何とかいつも言って自分のをさらさないのも悪いので、見たくもない、昔のアニメーションをさらしましょう。

http://www.11secondclub.com/users/profile/7623

二回ほどやったんですね!一個目がもう7年くらい前ですか?母校のSan Jose Stateに行く前だったので、アニメーションのことをまだ、なーんにもわかってなかったときですね!
2個目は卒業してすぐ後くらいですかね。その頃は、やばいこれ凄いのできた!とかおもったけど、今見ると赤面もの。

はずかしい!!!

そうそう、みなさん、これ、エントリーするとずっと残りますからね!それだけはご覚悟を!!笑


でも、いろいろな人からフィードバックももらえるし良いですよー!


Glen Keane-グレンキーンの講演ー

一月ももう半分たってしまったのですね!早い!これじゃああっという間に2016年になっちゃう!

さて、今日はサンフランシスコにあるWalt Disney Family Museumーウォルトディズニーファミリー博物館ーにてグレンキーンの新しいショートフィルムDuetについての講演があったので行ってきました!

グレンキーンはアメリカでアニメーションをやっていたら絶対知ってるレベルの元ディズニーのアニメーターです。ビースト、アリエル、ポカホンタス、アラジンなどなどをアニメートしたことでも有名なディズニーレジェンドです。

現在はディズニーを去り、独立して去年ショートフィルムを作ったようです。それがこちら、



で、ただのショートフィルムだと思ってたんですよ。それが実は違ったみたいで。Googleとともに作ったインタラクティブなアニメーションプロジェクトを映画の形に編集しなおしたものだったみたいです。

こちらの記事にインタラクティブアニメプロジェクトについて詳しく書かれています。

googleのインタラクティブ・アニメ・プロジェクトとグレン・キーンの『Duet』

今日ちょっとそのインタラクティブ版のデモもしていましたが。これは、インタラクティブ版のほうが10倍は内容を楽しめるし、おもしろいし!と思いました。なので、そのうちインタラクティブ版を楽しめたらなあと思います。(なんというかNYでやっている私の大好きなショー、SLEEP NO MOREを思い出します。)

※SLEEP NO MOREはニューヨークでやっている参加型ショーで。5階建てくらいのホテルの設定でその中全部が舞台になっておりいたるところで俳優が演技をしており、どこに行くも自分次第!モダンダンス色が強くシェイクスピアのマクベスをベースに話がすすんでいきます。マクベスのストーリーをザッとおさらいしておく他はあまりリサーチはなさらず行くのがお勧めです。NYに行くことがあれば絶対に行った方がいい超お勧めショー!

まあ、プロジェクトのことやグレンキーンがどれだけ凄い人かなんてオンラインで調べたらいくらでも出てくると思いますので。今日のレクチャーでグレンキーンが言っていたことについてメモをしました。それがとてもインスピレーションを沢山もらえる内容だったのでそれについて書きますね。
箇条書きだったり文章だったり。かなり内容がまとまっていませんが個人的なメモみたいなものでもあるので勘弁を!

では今日のメモからです!


ーディズニースタジオに始めて入ったときの感じー
グレンキーンは初めてディズニースタジオに足を踏み入れた時に、なんというか感動のようなものを覚えたそうです。その場所でディズニーのアニメが作られウォルトがそこに居たというような歴史やルーツのようなものを。ディズニーアニメーションスタジオは今も昔も同じ場所にあるのでまさに、そのスタジオに行くと、ここで昔ウォルトディズニーが歩いていた!映画を作っていた!ナインオールドメンがアニメーションをしていた。っていう場所なのですね。私も始めてディズニースタジオを訪れたとき、ディズニーの歴史というようなものを肌で感じ凄く感慨深かったのを覚えていますが、グレンキーンはその感じをまさにサンフランシスコにある、ディズニーファミリーミュージアムに足を踏み入れたときに感じたそうです。
ディズニーファミリーミュージアムは、2年前に亡くなられたウォルトディズニーの娘ダイアン・ディズニー・ミラーさんが中心となって立ち上げた博物館なのですが。現在のウォルトディズニー社とは関係はなく。ウォルトディズニーという人物の歴史、功績を保存するための博物館なのです。(私はこう何度か足を運んでレクチャーなど聴いているのですが、いつも時間がなくメインの博物館に入ったことがありません泣)そのせいか、この場所には同じような雰囲気がある、とグレンさんは言っていました。


ーインタラクティブショートフィルム"DUET"についてー
  • アンドロイド向けに作られたインタラクティブショートである。
  • 制作には1年かかった
  • 少年少女の物語はまるでスパイラルの階段のようになっていて、途中途中で交差するが、いつも逆の方向にすすんでいる。
  • 色彩は娘さんのクレアキーンさんがやった。
  • 自分で好きなキャラクターを追っていい(つまり女の子を追うと男の子の方は見れない。逆もしかり、ただ二人の物語はしょっちゅう交差する)

ーThe Character Exists before I draw themー
グレンさんは、「キャラクターは自分が描く前から存在する」と信じているそうです。まるで絵を描くことでキャラクターをこちらに引っ張ってきているような。

ーエリックラーソン(だったと思う)との思い出どうやってディズニーに雇われたかー
グレンキーンはとっても、ディズニーに入りたかったそうです。そして、ある時ナインオールドメンの一人エリックラーソンに自分のポートフォリオを見せたようです。(確かエリックラーソンって言ってたと思います90パーセントくらいの確立で!)
何ヶ月もかけた絵や何時間もかけた絵、だけど、エリックは「フムフム」といいながらペラペラとめくっていってしまいます。そして、ある時腕を止めて一つの絵を見つめて「こういうの、こういうのはもっとないのか?かけないのか?」といったそうです。その絵はなんと数秒で描いた殴り描きの様な絵で、むしろポートフォリオには入れないほうが良かったかもと思っていたものだったそうです。だけどエリックは「リズムがあり、生命感がある、こういうのをもっと持ってきてくれ。」といったそうですそれから一週間、なんと7冊のスケッチブック(だったか700の絵だったかな?)をうめて持って行ったそうです。そして、ディズニーに雇われたそうです。

ーDo not animate what the character's doing. Animate what the character is thinking.ー
「キャラクターが何をしているかをアニメートしてはいけない。キャラクターが何を考えているかをアニメートするのだ。」これは、ディズニーではいつも口すっぱく言ってますね!アニメーションは動きのアートですが。キャラクターが何をしているかをアニメートしてもダメなんですね、キャラクターの頭の中に入りいったい何を考えているかを理解しアニメートしなければ。こう考えているから、こういう動きになるという手順を踏んで初めて、自然なアクティングができるわけですね!


ー「グレン、この映画を作れると良いね。」ー
グレンキーンはラプンツェルの構想を練っているときに。オーリージョンストン(ナインオールドメンの一人)にそのスケッチを見せたそうです。「グレン、この映画を君が作れることを願うよ」とグレンキーンに対し言ったそうです。当のオーリージョンストンは2008年に亡くなってしまったので、ラプンツェルの完成を見届けることはできませんでした。


ーラプンツェルでCGアニメーションをやってみたー
ラプンツェルを製作中にCGアニメーターのやっていることを理解するために自分もCGアニメーションに挑戦してみたそうです。
「超難しいよ!ちょっと欲しいポーズをつけるだけなのにめちゃくちゃ大変だ!」と言っていました。ただそうすることで、技術に対する理解をすることができるとも言っていました。(でもやっぱり、2D手描きが好き!と)ただ手描きが好き!という人にはCGの技術の進歩により自分の仕事がなくなったりと嘆いたり、コンピューター系はやだ、と拒否反応を起こす人は多いのですが、グレンキーンの凄いところは「新たな手描きの可能性が新技術によってできるようになる。」と言ったりしていて、自分がCGアニメーションをできないやりたくない、と思っていても、新しい技術に対して貪欲なところですね。未知の世界に足を踏み込める人、尊敬します。
ちなみに「僕は鉛筆と紙、だけどディズニーにはコンピューターがまさに僕にとっての鉛筆と紙だったという人が沢山居る、あるCGアニメーターは絵は全くダメで、元々は配管工だったが、今はディズニーでもものすごい素晴らしいアニメーションを作ることができるCGアニメーターだ。まさに、CGが彼にとっての天職だったんだね。」と言っていました。

ーラプンツェルはCGで作ってくれよー
ラプンツェルのスケッチの話が出てきましたが。オーリージョンストンに見せたスケッチや構想を当時のプロデューサーに見せたら「素晴らしい!是非作ってくれ!ただ一つだけ、」といってその注文というのが「CGでつくれ」というものだったらしいです。「でも、君はこの手描きの感じが好きだといったじゃないか?それをCGでやれというのか?」と悩んだそうですが。結局ラプンツェルで「まさに古き良きディズニーのキャラクターがそのまま3Dになっている!」という見た目を成功させたことに対するグレンキーンの功績は大きいのではないでしょうか。


ー「怪獣達のいるところ」のテストー
先ほどもグレンキーンは新技術に貪欲だといいましたが、ピクサー設立前ジョンラセターがまだディズニーに居た頃ですね。グレンキーンがアニメーションをし、ジョンラセターが3D背景をつくるというアニメーションの試作品を作ったことがあります。結局映画としては実現しなかったこのシークエンスですが。当時からラセターは3DCGのアニメーションの可能性を、グレンキーンは手描きアニメーションを、新技術を使いもっと自由な表現ができないか、ということを追い求めていたのですね。


この手法はターザンでや美女と野獣でも使われましたし。技術の進歩に貪欲であるという側面はウォルトディズニーもそうでしたね。

ー技術はアートを、アートは技術を進化させるー
アーティストとというのは、時には技術者が「おいおい、何考えてんだ」という事をやりたいというものですが、それをやる事で技術が大きく進歩することがあります。逆に、技術というものが進歩することによって、アートというのは今までにない表現の方法を得る事もできます。技術とアートというのは決して相容れないものではなく、お互いがお互いを押し上げあって、進化していくものだというような話でした。今回のGoogleのプロジェクトにおいても。グレンキーンに話を持ちかけたプロデューサーにグレンは聞いたそうです「で、何をやってほしいんだい?」そして、彼女は答えたそうです「何でも、あなたのやりたいことをやって、それが私達の技術を進化させるから」「hmm, I like this lady(ふむ、彼女を気に入ったぞ)」と、こうしてDuetのプロジェクトも始まったようです。
グレンキーンは将来的には技術の進歩により新しい手描きの表現ができることを目指しているようです(ディズニーのショートフィルムPaperman邦題:「紙ひこうき」も似たように技術と手描きの橋渡しが上手くされている作品ですね!)
技術とアートの関係、私はSIGGRAPHに何度か顔を出しているのですが、まさにアートと技術が交じり合った場所ですね。技術者はアートをかじり、アーティストは技術系のことをちょっとかじっておくというのはこれ大切じゃないかなあというのは前々から感じています。

ー基本原則はいつも新しい側面を見せてくれるー
このブログでも説明しているアニメーションの基本原則ですが。これはいつになっても、新しい発見があるそうです。同じ原則についても、年を重ねるごとに、アニメーションのキャリアを重ねるごとに、どんどんどんどん、もっと深いところで理解をする、発見があるということが尽きないそうです。Every film, I understand it in the deeper way(映画製作のたびにもっと深いところで理解している)と言っていました。 今もなおそうであるとも言っていました。60歳のおじいちゃんだし、もうこんなに長いキャリアを積んでいても、基本原則から新しいことを発見する事があるんですね。大事ですね、基本原則!
ただ、これは私もその通りだとおもいます。私なんてまだまだプロ暦2年のアマちゃんですが、基本原則が載っているディズニーの本と出会ったのは高校生のとき。というともう10年も前ですね。あの時から何回読み返したかわかりませんが、今でも発見がありますし、たぶんいくつになってもそうなのでしょう!

ーWhen you don't know what you are doing, that's when you are growing as an artistー
「自分が全く何をやっているのかわからないとき、それはアーティストとして成長しているときだ」自分の今まで知らなかった技術、未知の世界、新しいことそういう事を始めると必ず自分が何をしているのか、正しいのか間違っているのか全くわからないことがあります。そういう時こそアーティストとしてまさに成長している時なのだ!と言ってました


ーNever forget what it is to be like a child.ー
「子供であるというのがどういうことかを忘れるな」子供というのは、素晴らしい。思っても見ない方向から物事を考えるしとてもクリエイティブな存在だそういうエッセンスをアーティストとして忘れないで。

ーOpening yourself upー
「自分を解放しろ」自分の直感や、やろう!と思ったことを信じて突き進めみたいな内容でした。映画を作ったりアニメーションをやっていると。「ちょっとこれは、さすがにcheesy(ありふれた)すぎるだろう」とか、「いやいや、こんなお涙頂戴とか思われちゃいそうだし。」とか思ってやらないことが多いのですが。そういうものこそ、やった方がいい!という時もあるという話でした。色々な考えが邪魔して、一歩引いたものになってしまうのを避けるために自分を解放しろ!という話をしていました。

ー目の前で、生でビースト、ラプンツェルをすらすら描くグレンさんー
アニメーションの博物館なのでもちろん、ライトテーブルと紙と鉛筆が用意されていました。すらすらと、美女と野獣のビースト、ラプンツェルからラプンツェルを描くグレンさん。描く姿を見てるだけでこちらのモチベーションも上がります!






と、いうわけで
グレンキーンさんを生で見るのは二回目ですが、前回も思いましたが。本当に素晴らしいアーティストだなあ!と心底思います。やさしく、知識が豊富で、なのに、まるで子供のよう(ピカソとかもすっごく面白い遊びごころのあるおじいちゃんだったみたいですね、そういう雰囲気があります)。彼がディズニーを去って一年ちょっとですが。これからどんなことをしていくのかが楽しみです!ナインオールドメンが全員この世を去った今、彼は私の世代から見たらディズニーレジェンドですから。今日のレクチャーは沢山沢山インスピレーションをもらうことができました!

というわけで、AnimSquadでやるサウンドクリップも決まりましたのでそのことについてまた数日中うに記事をかきますねー!


では!



2015年1月11日日曜日

サウンドクリップを選ぶときに気をつけること

さてさてAnimSquadは来月からなのですが、すでに沢山オンラインのレクチャーを見たりする事ができるので今日のレクチャーからのノートです。

まず、日本だとアフレコ方式が多いですし、あまりやらないかと思うのですが。
アメリカのアニメーションはプレスコって言うんですか?先に役者の台詞を録音してそれから、アニメーターがその台詞を聞きアニメーションをつけるというやり方です。

なので、生徒もその練習、またはそれをデモリールに載せるために。アクティングショットの練習として。映画やドラマから台詞をもって来て、そこにアニメーションをつけるというやり方をします。

Googleで animation reel とか入れると沢山学生のリールが出てくると思います。

さて、学生である場合(またはプロでも、こういう形で台詞を引っ張ってきてリール用のアニメーションをやる場合)どんな台詞をアニメートするために選ぶかというのは結構重要になってきます。

で、これは英語のサウンドクリップの場合の話ですので、日本語だとまた違ってくると思います。(ただ共通するところもあると思いますし、日本でもプレスコ式でやるところもあるかと思いますので少しは参考になる部分もあるかな?)


ということで、レクチャーからのメモです。


ー自分がやりたいことを明確にしてから選ぶこと。ー
どんなショットをやりたいか明確にしてからサウンドクリップを探しましょう。男性をやりたい、可愛い女の子をやりたい、ロマンティックなシーンを、怒ってる人を。などなど色々とやりたいことがあると思いますが。多くの人は、取り合えずサウンドを選んでから、どーしよーっかなー。とアイデアを考え始めますが。最初にやりたいことを明確にしてから、それに会いそうなサウンドクリップをあさること!

ー避けた方が良いサウンドクリップの例ー
ー超有名作品:超有名作品は皆知っていて、皆その映像が頭の中にあるので、どうしてもそっちの方を見てる人が考えてしまうのでお勧めできない。超上手くアニメートできればいいのだろうが、どうしてもハードル上げちゃうのでお勧めしない。

-アニメーション作品:同じ理由でアニメーション作品はもうすでにアニメーターの技術でアニメートされているのでお勧めしないのでそういうところからサウンドクリップを取ってこない方がよい。

ーとても、ドラマティックだったりシリアスなシーン:こういうシーンはディズニーみたいなところで、超スキルのあるアニメーターが超素晴らしい監督のガイドの下に超使いやすいツールと超いい環境で作っても数ヶ月かかったりする。難しいシーンだ。挑戦するなとは言わないけれど、学生としてはハードル高すぎなので避けた方がよい。

ー映画の一部としてはとても良いが、そこだけ持ってくると意味がわからないシーン:映画のワンシーンとしては全体の一部として意味の成り立つ素晴らしいシーンでも、今から課題としてやるシーンはデモリールに乗せるものだという事をよく把握しておかないといけない。というのも、デモリールはせいぜい100-300フレームくらいの短いショットの中で意味をなさなければいけない、2時間とかの映画の中でとても良いシーンだったとしても、デモリールのなかの数百フレームで意味がわからなければリールようとしては良くないサウンドクリップだ。

(さて、超有名映画のシーンの話ですが。アメリカ人はホントよく映画を見ます、アニメーション業界の人ならなお更です。なので、有名映画から台詞をもってくると、ん?これはあの映画のあのシーンだとわかる人は超多いのです。なのでそういうのを選ぶときは気をつけましょうということですね。日本語だと、日本映画やドラマですかね?でも、日本の場合はアニメとかから引っ張ってきても、それはそれでよいかも知れないと、個人的には考えています。基本リミテッドアニメーションが多いので、フルにアニメーションする際でのあのシーンが残っちゃってという弊害にはならなそうという理由と、アニメ作品めちゃめちゃ多いのであまり知られてないアニメから引っ張ってきても知らない人もそこそこいるのでは?という理由です。私はちょっとちゃんと日本語のリップシンクなんかもやってみたいなあと思って、まだきちんとやったことはないのですが。英語と日本語だとボディランゲージなんかも違うので面白そうです。おっとっと話がそれた。)


ーお勧めなサウンドクリップの例ー
ー数百フレームの中できちっとオチがあるというか、最終的に綺麗に内容が終わるクリップがおすすめ。(先ほどの映画の中では意味をなすけど、というのの逆ですねクリップ内で綺麗に意味がわかる内容のもの)

ードラマとかお勧め:映画だとやっぱり知られているのもおおいけど、ドラマにも目を向けてみると話数も多いしかなり選べる幅が広がるし。最近のHBOとかドラマにしては映画クオリティのものも多いし脚本も面白いのが多いのでお勧めである。

ーリズム感がある:台詞にリズム感があるものがよい。早口でしゃべったあとに、ゆっくりになるなど、変化が見られるものはおもしろい。

ー生きている人間であると感じられる台詞が良い:すべてパーフェクトにしゃべっているものより。ハ!!とかフゥーとかのため息が混じっていたり、どもり気味になっていたり、人間がしゃべっているというのを感じられるクリップを選ぶとよい。


ーこれは一意見だというのを心においておいてー
ー色々言ったけど、これはあくまでも1意見だよ。絶対ってわけじゃない。




と、こういう感じでした。この辺はアクティングの練習に使うクリップを選ぶ歳に気をつけると良いですね!日本のデモリールだとそんなに見かけませんが。アメリカだともう皆やるので、ある意味、つまんないサウンドクリップや、誰かがすでにやったことあって有名なクリップ(上手い学生のリールは結構皆見たことがあるので)とかは避けたほうがよい。みたいな背景もあるのですけどね。



というわけで、今日のノートからでした!

2015年1月10日土曜日

リファレンスについて

リファレンス(reference)

リファレンスについての話です。

そのままの意味は「参考にするもの」的な意味ですが。アニメーションでいったらアニメートするために動きや演技の参考にする動画などを言います。

どこの学校でもそうだと思うのですが、アニメーションを教える学校は大体最初は基礎中の基礎ボールバウンス(弾むボール)から教えます。わたしの学校では作品提出時にかならずリファレンスも提出しなければいけませんでした。(しかも自分で撮影したものでないといけない) 

じゃあ今でも、ボールバウンスのリファレンスを毎回自分で撮影するか?というとそうでもありません。ボールバウンスはもう基礎を把握しているので、何も見ないでもそれなりに作れます。ただそれが特殊なボールという指定があればチラッとYouTubeで「こんな感じか」と言うのを確認するかもしれませんが。

じゃあ、なんでわざわざ私の学校で自分で撮影したリファレンスの提出を求められていたかというと、単純にリファレンスを撮るというのは大事であって、撮った方が撮らないよりも時間の短縮になることが多いので、そのプロセスを生徒に教えるためです。

ともあれ、現実に存在する物理や動き、人間の感情表現なんかを、自分でとったもの、YouTubeに落ちていたもの、映画からなどなど、色々な方面からリファレンスを集め自分がアニメートする際にに使います。

で、ただ単にリファレンスというと

ライブアクションリファレンス(live action reference) を指している場合がおおいです。

実写のリファレンスということですね。なのでアニメーターはしょっちゅうカメラを持ち出して自分が担当するシーンを自分で演技したりしてみます。

ただリファレンスに頼りすぎると、モーキャプでもいいみたいになってしまいますし、アニメーターがアニメーションをつける意味みたいなものもなくなってしまいます。

これについて私も昔悩んだことがあり(今でもさじ加減が難しいところですが)当時学生だった私は、何度か会ってお世話になっていたドリームワークスで長年キャラクターアニメーターをしている原島朋幸さんにプロの意見を聞いてみたいと思いメールしたことがありました。

そのやりとりを偶然、昔のメールをあさっていたら見つけたのですが、今読んでも「為になるなあ」と思ったので原島さんに許可をいただいてメールのやり取りを乗せることにしました。

それではこちらが私の質問です。


アニメーターにとってリファレンスは大切だと思いますが。
たとえば、歩いてるショットとか、普通のアクティングのショットとかは、普通にリファレンスを自分で撮るなり、友達と撮るなりできますよね。
でも、やっぱりアニメーションの世界には現実ではありえないこと、または自分じゃできないこと。たとえば、ほうきで空を飛ぶ魔法使いとか(というかそれを今学校でやっているのですが。) 
それこそHow To Train Your Dragonのドラゴンなんていないので、現実世界にいるものを参考にしてリファレンスにしますよね。
それとか現実に存在するけれど、自分自身ではできないもの、特定のスキルがないとできない動き。(バック転とか、自分はやったことのないスポーツとか、サーカスの人たちにしかできないようなこととか。)
そういうのをやるときって、たとえばストーリーにそってプランニングをして、この動きがほしい、この動きがほしいっていうのはわかっててもじぶんでそのリファレンスを取れないので。ユーチューブとかで私は動画を集めたりしたのと自分で撮ったものといろいろなのを参考にして、私はやっています。 
そうすると、やっぱりどうしても自分の頭に頼らないといけない、というか補わなければいけない(たとえば、サーカスの人のジャンプの動きを、友達ととった演技用のリファレンスとあわせてみる。)みたいな事があるんです。
でも、私はまだまだそこまでスキルのあるアニメーターではないので混乱してしまうときがあるんですね。 
原島さんは自分でそういうシーンをアニメートしなければいけないというような時に、どういうふうにアプローチしていますか?
あとリファレンスをどれくらい使いますか?(たとえば、すごく正確に?それとも、ポーズやアクティングのアイデアを得るために?)
今まであってきたアニメーターさんに話を聞いても皆さんスタイルとかアプローチの仕方がぜんぜん違ったりするし。
プロとして働いてる原島さんのショットへのアプローチの仕方とか参考程度でよろしいので教えてもらえたらいいなと思ってメールをしました。


そして、こちらが原島さんからの返答です。


こんにちは。頑張っているようですね。
まず、ショットへのアプローチは人それぞれ違うのは当然ですし、ショットによっても違うと思います。
参考になるか分かりませんが、私のライブアクション・リファレンスに対する考えなどを書いてみます(当然ながら、みゆきさんや他の人にとってこれが正しいかはわかりません)。

ライブアクション・リファレンス(以下L.A.R)は非常にパワフルなツールですが、とても危険なツールでもあると思います。あまり頼りすぎるとAnimationの良さを殺してしまうし、L.A.R.なしではAnimationさえ出来なくなってしまいます。Animation
Mentorの卒業生は非常にL.A.R.に頼る傾向があります(良い意味でも悪い意味でも)。

私もL.A.R.は良く使いますが、その前に大事な事は、演技をしてそこからアニメーションをするのではなく、ショットで何が起こっているのか理解してActingを自分で決めて、必要があればビデオを取ります。Actingするだけでビデオが必要ない場合は取りません。私自身は演技は上手くないのでL.A.R.の中で見るものはウエイトや無意識な仕草などです。ポーズも参考にはしますが、通常はそのままでは使わないです。自分で演技をする場合は出来るだけショットと同じ環境、プロップなどを使います。特にプロップはウエイトの参考になります。
大切なのは、ショットを理解して適切なActing choiceが先でL.A.R.はそれを保管するものというスタンスです。
ドラゴンや実際に自分で演技出来ない場合も、ショットで何が求められていて、ショットのビートなど(ダイアログ等によって決まってくる)を把握した後に使えそうなリファレンスなどを探したりします。
私はMegamindのはじめの方でMetromanが赤ちゃんをジャグリングするショットを5ショット程アニメーションしましたが、当然そんな演技やリファレンスは無いので、ショットで求められている物を理解した上でジャグリングの基本のリファレンスを探し、浮遊しているメトロマンのビートに合わせてブロッキングをしていました。でも、当然、その場でボールをジャグリングするのと飛行しながら赤ちゃんをジャグリングするのとでは当然つじつまが合わない所が出てきます。そこは動きを解析しつつ想像を働かせるしかないですよね。後は見ていて気持ちの良い動きですね。
結局、私もみゆきさんがやっていることと同じ事をしていると思います。必ず想像力を働かせなければいけない所は出てきます。でも、実際の経験やリファレンスをもとにあり得ない動きを想像すれば、ウエイトなどリアルに見せることは出来ると思います。リアルよりリアリスティックが求めているものです。L.A.R.に頼りすぎるとポーズなどが小さくなったり、想像力が乏しくなるので気をつけましょう。
答えになっているか分かりませんが、少しは役に立ちそうかな。
では、頑張ってください

と、とても丁寧な回答で目からうろこという感じでした。

当時読んだ時も為になるなあと思いましたが、今読むと昔はわからなかった部分にもより頷けるような気がします(正直当時はそこまでActingに対する理解が深くなかったので、なんとなーくで理解していました。)

やっぱり、スキルと経験のあるアニメーターの言うことは、いつまでたっても色あせないものですね。Illusion of Lifeを読んでいると思いますが。いつ開いても発見があるというか。とはいえ、こういうのは知識だけで知っていてもダメなんですね、自分でガンガンアニメーションをしてくとその中でこういう言葉が響いてきます。本ばかり読んでてもだめですね「アニメーションは絵と一緒でやればやるほど上手くなります」(というのも、実は昔原島さんに言われた言葉ですが)

というわけでリファレンスのお話でした。



Follow Through and Overlapping Action(フォロースルーとオーバーラッピングアクション)

さて次のアニメーションの原則は

フォロースルーとオーバーラッピングアクションです!

Drag(ドラッグ-引っ張る等の意) やSettle(セトル-落ち着く、その場に収まるなどの意)Overshoot(オーバーシュート-止まるポーズよりちょっと先に行って戻ってくる動き)なんかもよく使われる言葉ですねこのトピックで。


「動き」というものを理解するうえではとても大事な原則です。物理的により現実に近い動きをアニメーションで表現するためには欠かせないテクニックです。

簡単に言うなら

何かが動き出し止るとき
全てのパーツが同時に動き出し
全てのパーツが同時に止まる
って事はない!

という概念です。

ないんです!(それが一つの堅い物体とかでない限りは、またはそういうスタイルでない限りは)



たとえばこの動画を見てください。




振り子ですね。もしこの振り子に関節とかなくて堅い一つの物体だとしたらこういう動きをしても問題ないのかと思いますが。

間接が動く場合はオーバーラッッピングアクションとフォロースルーが発生します。



動きの原動力は一番上の部分にあるのでその下の関節たちが時間差で影響され始め、
止まるときも時間差で止まるという感じです。


スローインスローアウトで説明に使ったこちらの振り子の動画ですが。



これもオーバーラップさせることでよりやわらかいというか自然な動きになりますね。

 

(でどのくらいのオーバーラップを入れるかというのもこれも、自分がアニメートしている物体によって変わります。)




では、簡単な振り子が左から右に行くという動作を使ってこの概念を説明してみましょう。(上手くできるかな?)



このサンプル動画はシンプルに静止した振り子が左に向かって動き完全にストップするという一連の動きなんですが。

まず動き出すとき




 この画像のように一番上が原動力(DrivingForce)ですね。この振り子という物体が動くためのエネルギーを発しているのはこの一番上の部分です。どこが原動力を発しているのか?というのはアニメーションをつける上でとても大事なので動きをつけるときはこういう事を意識するのが良いです。簡単に物理の基礎を知っておくと良いというのは、こういう時に物理の基礎をわかっているとどこが原動力か等の理解がしやすくなります。(私も物理とか完全には良くわかりませんがね!笑)

たとえば車だったらエンジンが原動力です。落ちてくるボールだったらそれは重力なのですね。

この場合、振り子の一番上に何か動くエネルギーを発するものがありそれが動いているという風に思ってくださいその下の関節には原動力はないのでただただ上のものが動いていたらそれに影響されるだけになります。

ではこれが右に向かって動き出していきます。



すると、下の部分の関節が曲がってDragしはじめます。他の部分が遅れて出発するという感じですね。

で、ここで大事なのは最初にスタートした地点を他の部分が超えてはいけないということです。どういうことかというと↓こういうことです。


で、無事に動き出したら直進します。


直進すると静止するまではこの形をしばらくキープします。

で、この、動いてる最中のポーズはのろのろと動いているとすこし曲がってる感じ(画像内の緑色のポーズみたいに)早く動いていると青色の感じで沢山後ろにDragします。

たぶん振り子が重力によって戻ろうとする力と、すすんでるスピードによって前から来る抵抗の力の関係がどうたらこうたらだったと思います。この辺のことを学びたい方は私の恩師アレハンドロガルシア先生が物理の凄い先生なのに、アニメーションが大好きで、アニメーターのための物理の授業を作っちゃった人なので。教えてくれます。(英語だけど)

さて、こうして、動き出して、直進して、次は止まらねばなりません。


で一番上の原動力であった部分がまずストップします。しかし、右方向へ行くエネルギーがあった下の関節部分たちは、そう簡単には止まれません。なので、右に行き続けます。ここでOverShootという現象が起きます。止まるべきポーズを超えてもっと右に行ってしまいます。で、この時点で一番下の部分はまだDragしてます。

これで、右左、右左という動きのふり幅がだんだんと小さくなり完全に静止するのですが。




 一番上から止まっていきます。そしてそれに影響を受けていた下の部分が順番に止まっていきます。そして完全に停止します。

(この順番というのも、1-2フレームくらいのずれで起こったりもするので、目で見てわからないときもあるかもしれないですし。24fpsくらいだと1フレームのうちにそれが起こる事もあるので、一緒に止まっちゃったりすることもあります。)

と、簡単にオーバーラップの説明をして見ましたが、オーバーラップの練習をするにはやっぱり振り子が手っ取り早いかな?と思います。

ー左右に揺れる振り子が静止する。
ー左右に揺れる振り子のサイクル
ー適当に一番上の動きをつけてみてそれにあったオーバーラップを入れてみる。(一番最初に紹介した動画とかがそうですね。オーバーラップ入れる前 入れた後

で、この編ができるようになったら、人間リグの腕だけアニメートしてみるとか。ですね。腕はまた、筋肉があるので、無機物みたいな動きはしませんので、応用編という感じでしょうか?


こういうオーバーラップの概念というのは、髪の毛とか、太った人の贅肉だったり、大きな胸、揺れもの系に目が行きがちでもちろん、そういうのはオーバーラップする代表的なものであり目が行きがちなのも仕様がないのですが。

動きの原動力がどこで、それに影響を受けて他のどの部分が動くのかということに注意することでこの概念はキャラクターの体全体にも使われますし。ただたんに髪の毛とか揺れてるものに使えばいいとか言う単純なものでもないです。

(たとえば腰と上半身の関係。首と頭。肩から指先にかけてなどなど。何が動く為のエネルギー源を発しているかというのをよく注意して考えながらアニメートすると良いです。)



あと、英語のわかる人はこのブログを見る必要なんてないので「もう有名な動画だよ!」と思うかもしれませんが。こちらがオーバーラップについて本当にわかりやすく説明してあるチュートリアルです。ただ英語がわからなくても見ているだけでもなんとなくわかるとは思います。





私はこのビデオを見た時目からうろこ状態でした!



さてさて、そろそろアニメーションのオンラインクラスで忙しくなりそうなので残りの原則は4月以降になるかもしれません。

ですが、オンラインクラスで学んだことややちょいちょい小さな記事などはアップしていきますのでよろしくお願いします!



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2015年1月8日木曜日

オンラインアニメーションスクール

今回はオンラインアニメーションスクールについて、

まあ、何故この記事を書こうと思ったかというと来月から私もオンラインアニメーションスクールで3ヶ月間アニメーションのクラスを取るからです。(UPDATE: 受講しました!かなりよかったです!)

その名の通りネットを介してアニメーションの授業を受けられるアニメーションの学校です。

えーオンラインの学校なんて本当に効果あるのー?スキル上がるのー?

っと思うかもしれませんが、

アメリカではオンラインアニメーションスクールはなかなか評判も良く、現在第一線で活躍しているアニメーターの方々でもオンラインスクール出身の人も多いです。

オンラインアニメーションスクールのメリットとデメリット

メリット
ー現在活躍中のプロが多く教えている
ーオンラインなので家からできる
ーむしろ日本にいても出来る
ー英語でのやりとりができる
ー授業料そこそこ高いけど、現地に留学とかよりはずっと安い
ーアニメーションに特化して学べる


デメリット
ー学校が持つラボなど無いので3Dアニメーションを自宅で出来る環境が必要
ー北米系のは日本からだと時差の問題も
ーこの記事で紹介しているスクールは全て英語で授業なので英語力が必要(UPDATE:日本語のスクールもでき始めています!やった!)
ー授業料そこそこ高い
ー学位がもらえない

などなどです。一人一人状況は違うのでどれがいいとかは一概に言えませんが。アメリカでも大学を卒業した後にオンラインスクールで腕に磨きをかけたり。大学では全く別の事を学んでたのだがアニメーションのキャリアを目指したくなりオンラインスクールでアニメーションスキルを学んだり。アニメーターとして仕事しているがもっとスキルアップしたかったり(←私とかこのパターン)色々な理由でやる人がいますね!


だいたいのスクールで共通しているのは。

アニメーションの課題をやってそれにスカイプのようなグループビデオチャットを通してクリティーク(批評)をもらう。

という流れだと思います。

スクールを比較する際に私が見るポイント

カリキュラム
学校ごとに微妙にカリキュラムが違います。単発で取れたり、またある程度続けて受講しなければいけなかったり。学ぶ内容もカリキュラムがものすごく組まれているものだったり、レビュー中心だったり、よく学校の内容を読んだり、生徒作品を見たり、また、ほかにそのスクールを取った人がいれば聞いてみたりしましょう!


リグ
結構重要なポイントになるのが、受講生になったら使えるリグ。です。多くのスクールは一度受講すればそのスクールのリグが使い放題!等のメリットがあるので上質なリグをもらえるというのは結構な魅力ポイントです。(アニムスクアッドのリグなんてまんまディズニーですし。しかし、めちゃくちゃ重いです!)


授業料
当たり前ですが値段ですね!ただ単に値段を見ずに、値段に対して、どれだけの授業時間か?その他のコンテンツが充実しているか?生徒のコミュニティは?リグは?などなど総合的に判断しましょう。

時間
海外にあるスクールなので時差が気になります。アメリカにいる私でさえアニムスクールは東海岸ベースの時間でやってるので取りにくい時間帯です。ということで各スクールの各クラス自分のスケジュールと合うか確認しましょう。

講師
海外だと先生やってる人の作品とかブログとかサイトが名前検索すればすぐ出てきますので、あーこの人に教えてもらいたい!と思う人のを取るといいでしょう!ここでも口コミが役に立ちますが。アニメーションが上手い=教えるのが上手い。というわけでもないので、知り合いに取った人がいれば、感想など聞いてみましょう!



では!いくつか有名どころを紹介しますね!最近だとアニメーション以外の分野も教えているところも多いです!

英語系

Animation Mentorアニメーションメンター
-たぶん一番の古株かな?オンラインアニメーションスクールビジネスの先駆者といった感じでしょうか、私の知る限りでは。ILMとかピクサーの人がメインで創立した(んだったと思います)

Anim School アニムスクール
こちらは東海岸から(といってもオンラインスクールなのですがw)、創立したのが東海岸はコネチカット州にあるブルースカイスタジオの方です。
これも結構有名どころです。日本からクラスを受講してる人を数人知っているのですが、時間が日本時間フレンドリーなのでしょうか?

AnimSquad アニムスクアッド
2015年に受講しましたとてもよかったです!ディズニーの人たちがメインで教えています。授業内容はレポートを書いていますのでこちら



日本語系
そうです!私がブログの更新をさぼってる間にいくつも日本語でアニメーションが学べる学校が設立されたのです!わーお!縁あって私も基礎クラスをAnimation Aidで教えています。


Animation Aid アニメーションエイド
Sony Pictures Imageworksの日本人アニメーター達によって設立されたオンラインアニメーションスクールです。基本的な英語系アニメーションスクールで提供されているような内容を日本語で学べます。私も基礎クラスの講師をしていますが。腕のあるアニメーターが講師として名を連ねています。

Anitoon Academia アニトゥーンアカデミア
このブログでも何度か紹介しているAnitoon! Japanのヨーヘイさん(現Blizzardのシネマティクス)が設立した学校です。こちらも英語系アニメーションスクールで学べる内容を日本語で学べる所です。


CG オンラインアカデミー
こちらはメインがアニメーションではないのですが。元ディズニーの凄腕モデラーの糸数さんが設立した学校。メインはアニメーションではありませんが、キャラクターアニメーターを講師として迎えたアニメーションクラスもあるようです。


番外編
こちらはオンラインではなく実際に行く必要のある学校なのですが、似たような感じで授業を提供しているスクールがありますので紹介します。


ピクサーの目の前(本当に目の前)にあるスクール。ピクサーの人が仕事帰りに多く教えている。アニメーション以外にもコースがある。私ここのコースはいくつか取っているのでレビューそのうちしますね。

とまあ、沢山オンラインのアニメーションスクールというのは存在するわけですが。
まあそこそこお値段は高いです。だからと言って取れば上手くなるというものでもないです、取ったうえでそれなりの時間と努力をしないと上手くはならないのですね。アニメーションは一生懸命やって沢山数をこなさないと上手くならないですし。

でも、自分より上手い人(この場合は先生である第一線で活躍するプロ)にアニメーションを見てもらい、指摘してもらう、これは自分だけではできないものなのです。自分のスキルがないと何が悪いかさえわからないんですよね。で、あとで昔自分がやったアニメーションみると、なんでこれを良いと思ってたんだろう、とか思ったりしちゃってね。なので悪い部分を指摘してもらい、何が良いのかを教えてくれるこういう状況はとても、ありがたいものです。

まあ、そういうわけで、オンラインスクールというのも、アニメーションを学ぶ一つの道として考えてみるのもいいかもしれないですね!


というわけで

アニメーションは楽しいぞー!!!

では。