2015年5月25日月曜日

Exaggeration(誇張)

アニメーションクラスも終わってちょこっと時間も空いたので、12原則の記事もちょいちょい更新していこうかと思います。

今回は

Exaggeration (誇張)
についてです。

イグザージェレーションみたいな感じで読みます

言ってみれば大げさにする。って意味です。
現実よりも、大げさに。

たとえば、ワーナーブラザーズのカートゥーンなんかを見ているとわかりますが。ありえないくらいに誇張されています。





それではただ単になんでも大げさにしたらそれでいいのか?というとそうでもないのです。
では12原則を提唱した命を吹き込む魔法で、誇張がどのように説明されているか見てみましょう

「誇張」と聞いて、絵を歪曲したり、不愉快なほど暴力的なアクションを描いたりすることを想像した物もいたが、それは見当違いだった。ウォルトが求めていたのは、劇画化されたリアリズムだった。あるアニメーターはそれを次のように正確に分析した。「ウォルトが言っていたのはいわゆるリアリズムとは違う。彼の言うリアリズムは説得力のあるもの、人々の心に強く訴えるもののことなんだ。リアリズムという語を使たのは、現実のものを求めたからだ・・・(アニメーションの)キャラクターは説得力のないことやアニメーターの賢さをひけらかすようなことをしがちだけれど、それでは現実じゃなくて嘘になってしまう。」 ーIllusion of Life 生命を吹き込む魔法よりー

たとえば良い似顔絵というのを思い出してみてください。あれって、写実的に似ているのでしょうか?違いますよね。なんか、その人のエッセンスというか特徴をとらえて。その特徴を誇張している。

その人を特徴づける重要な部分を押し出しているということですね。

上記の引用した部分で「劇画化されたリアリズム」と言っていますが。原文だとCalicature of realismなのです。
カリカチュアっていわゆるああいった似顔絵もカリカチュアと呼ばれます。

アニメーションで重要になってくる「誇張」という概念もそのショットで重要なアイデアをサポートするための誇張なのです。

だから、ここは悲しいシーンだから悲しいというのを観客に伝えるためには肩をリファレンスよりももっと下げよう。だとか、そういうアニメーターの判断が重要になってきます。何でもかんでも大げさに、ギャーーー!と、でかく、やっときゃいい!と、そういうわけではありません。


なので、たとえばフィードバックをもらうときも。

「ここはもっと誇張(Exaggerate)していいと思うよ」といわれることもあれば。

「ちょっと誇張(exaggerate)しすぎだね。」と言われたり。

誇張をすればすべてOK!ということでもないのです。




Wake Up Call from Kevin Jackson on Vimeo.

たとえばこのアニメーションなんかものすごい動き自体がExaggerateされています!英語だとPushedなんて言ったりもします。

個人的にはまあ、ストーリーもあるようでないようなものだし。ただ単に動き事態を楽しむといったスタイルのものなので、まあ、いいかな。楽しめたかな。と思ったのですが。

友人にはやりすぎ!と言ってる人もいたので。その辺のテイストは人それぞれなのでしょうし、これが何らかの話の中とかシチュエーションであったら、そぐわないこともあるだろうというのは私も思いました。


ほかにも、このドリームワークスのアニメーターさんのリファレンスと実際につけたアニメーションの違いの動画なんかもExaggerationを理解するのに役立つので見てみましょう




A few reference clips from the past few years. from SIDE FILMS on Vimeo.


顔芸すごすぎ!っと思うくらいに元のアニメーターの人のリファレンスの動き自体がすごい誇張されてるのですが。

そこからアニメーションへ変換するときにただ単にリファレンスの動きやポーズを100パーセントコピーしているわけでは無いことがわかります。

特に。1:43秒あたりのリファレンスですが実際のアニメーションと比べると手の動きなんかはアニメーションのほうが控えめになっています。そのショットに求められていることを表現するためにはそのほうがよいとアニメーターが判断したのでしょう。なので、一番重要なのは、何がそのショットに必要か!ということで、誇張具合を調整するのもアニメーターの判断力にゆだねられるのです。



かと思えば



こんだけポーズを誇張していたり!

いたるところで誇張は使われています!



ショットがなんだか、つまらないなーと思ったらもっと誇張してみたり。
なんかショットがうるさくてうざいなーと思ったら誇張を抑えてみたり。

どのくらいがちょうどいいのかっていうのを理解するには経験とどれだけアニメートしたかで養われます!なのでたくさんアニメートしましょう!

ちなみに度々紹介しているYohei Koikeさんのアニメーションブログでもかなり良いExaggerationの説明がされている記事がありますのでシェアしておきます



というわけで。今日もHappy Animating! 

誇張のお話でした!

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