2015年1月28日水曜日

プランニング

今日はプランニングのお話、というのも、この後、私のAnimSquadの課題のプランニングのレポートを書こうと思ってたのでその前にまず、プランニングとは!ということを少し。

さて、自分のやるショットが決まったら。まず何をするのでしょうか?ブロッキング?いいえ違います。先ずは、プランニングです。まあ英語でプランニングプランニング、言ってますが。プランを立てるということですね!

実際にコンピューターでアニメーションを始める前に今からやるショットの方向性を決める。いわば図面みたいなものでしょうか?

どのようなActing Choice(演技のチョイス)をするかというのも、この時点ではっきり決めておきます。

さて、それでは。プランニングに必要な事をいくつかあげていきましょう。
因みに、何をこんな経験も浅い私が偉そうに、と思うかもしれませんが!心配後無用!全部ガチで偉くて凄い人たちの講義や、その辺の本を読んでまとめたメモですので、これは鉄板!のはず!!

では行きます!

1.ショットを理解する。

ーそのショットで一番大切なことは何かを理解する。(仕事や映画の場合は映画の中でどのシーンなのか。また、そのシーンで観客に伝えなければいけないことは何か。)

ーキャラクターを把握する(自分がアニメートしているキャラクターの性格、バックグラウンドなどなどを理解する必要があります、これが、課題などの場合、自分でキャラクターの歴史や環境性格などを作り上げなければいけないので少し大変ですが、仕事などの場合はもうすでにキャラクターの設定などあるでしょうから、いったいどんなキャラクターであるかというのを十分に理解する必要があります。


ーそのショットがストーリーの中で、またはシークエンスの中でどのような位置にあるのか理解する。(他のショットとの兼ね合い、または映画の中でどういう位置にあるかというのを理解することは、どのようなアニメーションがそのショットに求められているかという事を理解するのに役立ちます。)


ーそのショットで観客に見せなければいけないものは何かを理解する。(たとえば母親が怒って部屋を出て行ってしまうというシーンだった場合。母親が怒る、という様。そして、部屋を出て行ってしまうというのは必ず必要というのはわかる。)

ーショット内で何かと接触する等あるのか(3Dの場合、何かをもったり、接触したりはコンストレインなどの関係で上手く最初にプランしておいた方がやりやすい。)

ーどれくらいの時間があるのか(自分のやるショットに与えられた時間がどれくらいかというのと、自分のできることを考え、それで最高の状態を締め切りまでに出せるようにしよう。)

ーストーリーボード(日本で言う絵コンテ。ここにも、そのショットに重要な情報があるので。そこから、一連の流れを把握)

ーダイアログ(台詞の音源。アメリカの場合はプレスコ方式が多いので、台詞のあるアニメーションをやるときはもう俳優の台詞が録音されていることが多い。なので、それを良く聞く。そして、研究し、声の抑揚などをチェックしてどのようなアニメーションが適切かをプランしていく。)


2.実際にショットの詳細を組み立てる(サムネイル、リファレンスなど)

ーサムネイル(絵の描ける人は、サムネイルがお勧め、小さく書いたキャラクターの動きや、一連の流れを書き出しておくことでアニメーションをする際の指標にする。)

ーリファレンス(実際に自分を撮影、またはオンラインなどで拾った実写の動画を参考に、動きや、ウェイト、または演技の参考にする。取ったリファレンス一つでいい場合も、色々参考にする場合も場合によりけり。)

ー実際にうごいてみる(とりあえず体を動かしてやろうとしてる動きをしてみましょう、できる範囲で)


と、こんな感じですかね!まあ、なんとなくアニメーションつけるんじゃなくてちゃんと理解してからつけろよ!ってことです!この、プランニングをしっかりしないと、ブロッキングがだめになります。ブロッキングがダメだと、いくらポリッシュしても良いアニメーションにはなりません。

ということで、コンピューターでアニメーションをつけ始める前のこの段階はとても大事ということですね。


ちなみに、私は大学時代ミュージカルが副専攻だったのですが。その当時沢山演劇関係の授業を取っていたのですが。その時に先生がシーンを演じる前にやることとして、生徒に与えたCharacter Analysis(キャラクター分析)の質問が、アニメーションのショットをやる上でも大変役に立つのでシェアしたいと思います。

調べてみたところによると、 Uta Hagenさんという演劇の教師でもあった女優さんの定説した、キャラクター分析のやり方だそうですが。これをアニメーションのショットをやる前にやるとかなりキャラクターの像が見えてきます。(特に学生の場合、課題でアニメーションをやるときなどは、もともとキャラクターが居るわけではないので、こういう分析をすることでより、リアルなキャラクターを作ることができます。)

この6つの質問に答えるだけでだいぶキャラクターに現実味が出てきます。


Uta Hagen’s Six Step Analysis
Uta Hagenの6ステップ分析

1. Who am I?(私は誰か?)

  •  What is my state of being?(私の今の状態は?) 
  •  How do I perceive myself?(私は自分自身をどう思っているか?)
  •  What am I wearing?(私は何を着ているか) 


2. What are the Circumstances?(どんな状況(環境)か?)

  •  What time is it (the year, the season, and the day?) What time does the scene begin?(今何時だろうか?(何年?季節は?どんな日?)どんな時間にこのシーンは始まるのか?) 
  •  Where am I? In what country, city, neighborhood, building, and room do I find myself? Or in what landscape?(私はどこにいる?どの国?町?地域?建物は?どの部屋に居るの?または、どんな地に?) 


 3. What are my relationships?(私(と)の関係は?)

  •  How do I stand in relationship to the other characters in the scene?(私はいったいこのシーンにいるほかのキャラクターとどのような関係なの?) 


 4. What do I want?(私は何が欲しいのか)

  •  What is my Objective?(何が私の目的なの?) 


5. What is my obstacle?(私の障害は?)

  •  What is in the way of what I want? How do I overcome it?(どのようなものが私の欲しいものの邪魔になっている?どうやってそれを乗り越えるの?) 


6. What do I do to get what I want?(私が欲しいものを手に入れるために何をするのか?)

  •  What actions do I employ to achieve my objective? Do I get what I want? What do I do when I get or don’t get what I want?(どのような手段を使って私の目的を達成するのか?欲しいものは手に入れられるのか?欲しいものが手に入った時、または手に入らなかったとき私はどうするのか?)




と、こういう感じです。これをすらすらーと答えられると、自分の中でそのキャラクターを少なくとも理解ができていると思います。また、このObjective(目的)とObstacle(障害)は映画の単位で、シークエンスの単位で、ショットの単位でも存在するものなので、そのショットごとのキャラクターの目的はなにか?という事を明確にすると、いったいどういう感情なのか?なども理解しやすいです。



因みに絶対にサムネイルを書け、とか、リファレンスをとれ、とか色々とありますが。人によってはリファレンスの使い方もさまざまだし、コンピューターをつかう3Dアニメーターには2D時代と違い絵がかけない人も沢山居ますので、どういう仕方でプランニングをしていくかは人それぞれです。ディズニーでジーニーをアニメートしたりで有名なエリックゴールドバーグなんかは、「俺サムネイル嫌いだから、プランはでっかい紙にでっかく書いて決めるんだ!」と言ってましたし。プランニングの仕方は十人十色!でも、共通しているのは、しっかりとショットの内容を把握し。何故どこでいったい何が起こるのか、何がこのショットで重要なのか、等をはっきりアニメーションしだす前に計画しておくということです。

ただ、学生のうちはやれと言われたことすべてやってみるといいです。なぜならやってみない事にはそれが自分にあったやり方かどうかわからないからです。



というわけで、プランニングのお話でしたー。


ショットを完成させるまでの流れに戻る




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