【The Illusion of Life Study】
せっかく日本語と英語版両方のThe Illusion of Life(命を吹き込む魔法)をもっておりますので、その中から一説を紹介するシリーズを時々やろうかと思います。適当に開いたページから抜粋してこうと思います。
今日は実写のリファレンスを使うことについての一説です。
英語版
We were amazed at what we saw. The human form in movement displayed far more overall activity than anyone had supposed. It was not just chest working against hips, or the backbone bending around, it was the very bulk of the body pulling in, pushing out, stretching, protruding. here were living examples of the "squash and stretch" principles that only had been theories before. And here was the "follow through" and the "overlapping action," the changing shapes, the tensions and the counter tensions, the weight shown in the "timing," and the "exaggeration" --- unbelievable exaggeration. We thought we had been drawing broad action, but here were examples surpassing anything we had done. Our eyes simply are not quick enough to detect the whole gamut of movement in the human figure.13. The Uses of Live Action in Drawing Human and Animals: P321
日本語版
私たちは驚いた。動いている人物は、想像以上に体全体を使っていた。胸と尻だけが動くのではなく、あるいは、背骨だけが曲がるのではなく、全身で引いたり、押したり、伸びたり、突き出したりしていた。以前は理論に過ぎなかった「潰しと伸ばし(スクアッシュ&ストレッチ)」の原則の、生きた見本だった。ここには「フォロースルー」、「オーバーラッピング・アクション」、形の変化、緊張と弛緩、「タイミング」に表れる重さ、信じがたいほどの「誇張」があった。私たちはアクションを誇張して描いていたつもりだったが、ここにはそれを上回る例があった。人間の目では、人の動きの形すべてを見極めることはできないのだ。第13章:人物や動物を描く時の実写の活用法: P325
「感想」
ディズニースタジオではもともと実写リファレンスを研究する際、実写をロトスコープでトレースするという方法で研究をしていたのですが。ある時アニメーション紙のサイズで実写を1フレームずつプリントして、それをパラパラすることでリファレンスにするという方式に変えたようです。その際に実写をコマ送り(今みたいにコンピューターがないので手でパラパラ)することで得られる情報量の多さに驚いたという経緯をつづった部分のようです。
現在はiPhoneで手軽にリファレンスを撮影してパソコンで簡単にコマ送りできちゃう。。便利な世の中になったことにアニメーターは感謝ですね笑
因みにこの後に「単なる実写のコピー」を単にしてしまうとアニメーションがあまり良くないという事も述べられていますので、実写リファレンスの使い方は気をつけましょう!